アスベストのレベルとは?建材ごとの危険度と特徴をやさしく解説

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コラム


アスベストのレベルとは?建材ごとの危険度と特徴をやさしく解説

1.なぜアスベストはレベル分類されているのか

アスベストは非常に細く、空気に舞いやすい繊維でできています。
吸い込むと肺の奥に入り込み、長期間排出されず、健康被害を引き起こす原因になります。

そして、この“飛散しやすさ”は、アスベストの含有量の多さとは必ずしも一致しません。
同じ含有率でも、素材がボロボロになりやすい建材なのか、固まっている建材なのかによって、飛散リスクは大きく違うためです。

そのためアスベストのレベルは、
「アスベストの推定含有率」ではなく、「建材の種類」および「粉じん化しやすさ」によって決まる
という点が非常に重要です。

レベル区分は以下の3つ。
レベル1:もっとも飛散しやすい(最危険)
レベル2:壊すと飛散しやすい(高危険)
レベル3:固形で比較的飛散しにくい(低危険)

2.レベル1(もっとも飛散しやすい建材)

繊維がむき出しの状態で施工されており、触れただけでも粉じんが舞う非常に危険な建材です。

■ 主な建材
吹付けアスベスト
吹付けロックウール(石綿混入)
吹付けバーミキュライト・パーライト

■ よく使われていた場所
鉄骨の梁・柱の耐火被覆
ボイラー室・機械室
駐車場の天井
エレベーター昇降路

■ 特徴
発じん性が極めて高い
小さな衝撃でも大量に飛散
負圧隔離など、最も厳しい対策が必須
もっとも注意すべきレベルです。

3.レベル2(保温材・断熱材などの飛散しやすい建材)

レベル1ほどボロボロではありませんが、壊れると大量に飛散しやすい建材です。

■ 主な建材
石綿含有保温材(配管・ボイラー周り)
石綿含有断熱材
石綿含有耐火被覆材

■ よく使われていた場所
温水配管・蒸気配管
ダクト類
柱・梁の被覆材
煙突や高温設備

■ 特徴
外観だけでは判別しにくく、内部に隠れていることが多い
除去時はレベル1に近い厳しい管理が必要
小規模ならグローブバッグ工法も可
見えない部分でアスベストが残っている典型例です。

4.レベル3(成形された建材で比較的飛散しにくい)

セメントなどで固められた“固形タイプ”の建材。
通常使用では飛散しにくいですが、切断・破砕時には飛散するため注意が必要です。

■ 主な建材
スレート屋根(カラーベスト等)
外壁の石綿セメント板
けい酸カルシウム板
ビニル床タイル(Pタイル)
仕上塗材(リシン、スタッコなど)

■ よく使われていた場所
屋根・外壁
天井・内壁
床材

■ 特徴
飛散リスクは比較的低い
電動工具で切ったり砕いたりすると危険
作業前に湿潤化し、割らずに外すのが基本
安全に見えて油断しやすいタイプです。

5. レベルの違いで何が変わるのか?

レベルによって必要な対策が大きく異なります。

■ レベル1
完全密閉養生
負圧隔離
エアシャワー
厳重な防護具
→ 最も厳しい工事体制

■ レベル2
原則レベル1に準ずる
小範囲ならグローブバッグ工法も使用可

■ レベル3
湿潤化
電動工具禁止
原形のまま撤去
一般的な養生

どのレベルでも、事前調査は必ず必要です。

6. 補助金制度・支援制度もある

アスベスト除去には費用がかかるため、国や自治体の支援制度が活用できます。
厚生労働省:アスベスト除去事業の補助
各自治体:屋根材交換・除去費補助など
法人向け支援制度
対象建物や面積によって条件が異なるため、事前に確認しましょう。

7. 除去費用の目安

■ レベル1
2〜8.5万円/㎡

■ レベル2
1.5〜6万円/㎡

■ レベル3
0.3〜2万円/㎡(ただし足場代が別途)

面積や作業内容によって変動するため、複数社見積もりが安心です。

まとめ

アスベストのレベル分類は、建材がどれくらい“飛散しやすいか”を示す重要な指標です。

レベル1:最危険(吹付け材)
レベル2:高危険(保温材・断熱材)
レベル3:低危険(成形板など)

レベルが低くても、破壊すれば飛散の可能性はあります。
建物を扱う際は、必ず事前調査を行い、正しい作業方法で安全を守りましょう。

未来の健康被害を防ぐには、「知ること」と「予防すること」が何より大切です。

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