外壁の仕上塗材や下地調整剤等にもアスベストが含まれている可能性があります。2006年以前の建物であれば疑ってみたほうがいいかもしれません。
これらはセメントや合成樹脂などの結合材で固められているので普段生活する上で直ちに危険を及ぼすことはないですが、解体工事や改修工事、または高圧洗浄等を行う際など正しく処理しないと飛散することもあり得るので細心の注意が必要です。
■アスベスト含有の可能性がある外壁ならびに内装材
建材の種類 | アスベストレベル | 使用箇所 | 使用年代 |
---|---|---|---|
建築用内外装仕上塗材 | レベル3 | 塗装しやすくするために アスベストを混ぜて使用 |
1970年~1999年 |
建築用内外装仕上塗材 | レベル3 | 内外装の仕上塗装材の下地として 非常に多く使われている |
1970年~1999年 |
石綿含有スレートボード・ フレキシブル板 |
レベル3 | 防火性に優れているため 天井材として使われている |
1952年~2004年 |
石綿含有金属系サイディング | レベル3 | 断熱性に優れていて軽量のため、 一般住宅の外壁材として使用されている |
1960年~2004年 |
繊維強化セメント板 | レベル3 | 耐火・耐熱性に優れているため 外壁および内装に多く使用されている |
1960年~2004年 |
建築用内外装仕上塗材にアスベストが含まれている場合、下図のようにいつくかのパターンがあります。
A. 下地調整塗材もしくは仕上塗装材のどちらかに含まれている
B. 下地調整塗材・仕上塗装材どちらにも含まれている
C. 何層かの下地調整塗材に含まれている
D. 何層かの仕上塗装材に含まれている
※赤字部分が含有層です
外壁仕上塗装材は下地調整剤、上塗材など複数層で構成されているので、どの層にアスベストが使われているのかを事前に把握することが重要です。
仮に飛散性が低いとされるレベル3のアスベストであっても処理を間違えれば曝露する可能性もあります。
まずは「建築物石綿含有建材調査者」等の有資格者による事前調査を徹底し、適切な工法を選定するようにしましょう。